横浜セントラルパーク歯科

出っ歯は矯正で治る?上顎前突の原因と出っ歯の治療

出っ歯と聞くとお笑いのイメージが大きいかもしれませんが、本人にとっては深刻な悩みだと思います。原因としては、遺伝や幼少期の癖が考えられ、骨格が固まってくるとなかなか治しづらい面があります。通常、出っ歯の治療では歯列矯正という形を取りますが、そのような矯正治療にもいくつかの種類があります。出っ歯の原因と治療についてご紹介しますので、前歯の突出でお悩みのある方はぜひご一読ください。

出っ歯とは?

出っ歯とは、専門的に「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」と言われるもので、上顎が前に突き出ている症状を指します。口を閉じても歯や上顎が前に突き出してしまう傾向があることから、本人にとって外見上のコンプレックスとなってしまうケースが少なくありません。


出っ歯の原因

出っ歯の原因は、先天的なものと後天的なものに分けて考えられます

遺伝

歯並びや顎骨の骨格などは遺伝傾向によって受け継がれる可能性が高いです。両親やどちらかの親が出っ歯の場合、やはりお子さまも出っ歯を継承してしまうケースが少なくありません。

幼い時からの癖

出っ歯の後天的な要因として押さえておきたいのは、幼少期から成長期までのお子さまの癖です。具体的なところでは、「指しゃぶり」や「爪を噛む癖」、「舌癖」などが影響してきます。 指しゃぶりについては、生後数ヶ月の赤ちゃんだと当たり前ですが、4~5歳くらいまでには卒業できていないと前歯が内側の指に押されることで出っ歯を誘発してしまいます

爪を噛む癖についても同様です。舌癖については、舌を前歯の裏に当てる癖やお食事の際に舌を前に押し出す癖などを指します。

顎の成長不足(成長過多)

出っ歯は、前歯が斜め前方に傾斜することで促されることもありますが、「上下の顎骨のバランスの悪さ」によってもたらされるケースが多いです。上顎に対して下顎の成長が未熟な場合や、逆に上顎が下顎に対して過度に成長してしまうことで起こることもあります。 近年では手軽に摂れるファストフードを食する機会や、食卓に柔いものが並ぶことが多いですが、このような影響も顎骨の成長を未熟にしてしまう一要因になっています。

歯周病によるフレアーアウト

フレアーアウトとは、歯周病などによって歯を支えている土台部分が不安定化し、徐々に前歯が放射状に倒れていくことを言います。ある程度年齢を重ねて40代などで歯周病が進行してくると、歯を支えている歯槽骨が溶けて歯がぐらぐらと安定性を欠くケースもあります。この結果徐々に前歯が傾斜していって出っ歯になってしまうこともあるのです。

一般的に「出っ歯」は遺伝であったり上述のような個別的な癖によるところが大きいのですが、フレアーアウトという形で成人後に出っ歯になる可能性もあるので歯周病には特に注意しましょう。


出っ歯の治療(矯正治療の種類)

出っ歯は日本人の不正歯列としては比較的多いもので、歯列矯正によって治療することができます。年齢や前歯の前突具合によってどの程度改善できるのかは異なりますが、奥歯の抜歯や外科手術なども含めて考えると治療できないということはありません。ただし、やはり顎骨の成長が止まってしまう前の方が治療効果は高いです。


ブラケット矯正

ブラケット矯正は一般的な矯正治療で、金属のワイヤーや金具を用いて歯を動かすものです。歯の角度や噛み合わせなども調整できますので、「出っ歯で噛みにくかった…」という場合も噛み合わせの改善まで期待できます。 なお、ワイヤーや金具の見た目が気になる患者さまも多いかと思いますが、近年では目立ちにくい白いワイヤーや無色の金具を使う方法もございます。

またブラケット自体を歯の裏側に装着して外からは見えなくする「裏側矯正」も選択できます


マウスピース矯正

マウスピース矯正とは、アライナーと言われるプラスチック製の薄いマウスピースを歯型のようにして歯に被せて歯を動かす治療法です。何段階かのアライナーが用意され、数週間程度で次のアライナーに交換していくイメージになります。

普段の歯磨きの際には取り外せる点でメリットがあり、見た目の上でも無色透明なので凝視しない限り気付きにくいものとなっています。 ただし、マウスピース矯正は元々の歯並びの状態や不正歯列の度合いなどによっては選択できないケースもあります。また、取り外せるものの基本的には1日の大半装着していなければ思うような効果は得られません。つまり、自己管理が重要になります。


インプラント矯正

インプラント矯正は、顎骨に小さなアンカースクリューを埋め込んでそこにアンカープレートを掛けて歯を動かす治療法です。ブラケット矯正と併用することが多く、歯を短期間で大きく動かす効果があります。「上顎前突」の場合には歯を全体的に奥に(喉側に)移動しなければならないケースが多いため、可動域が大きくなるインプラント矯正は有効です。

おそらく、インプラントという言葉のイメージから大掛かりなオペをイメージされると思いますが、こちらは入れ歯に代わるインプラント治療とは異なり、小さなネジを一時的に埋め込むだけのものです。特別大きなオペでもなく、アンカースクリューの埋め込み自体は15分程度の処置です。


外科手術

歯列矯正ではやはり骨格を治すことまではできません。出っ歯の状態によっては、外科手術を取り入れることで顎骨の構造から根本的に治すケースもあります。矯正治療は本来保険が適用されませんが、外科手術を取り入れる場合には、入院費やオペの治療費、その前後の矯正治療にも保険が適用されます。

本腰を入れて抜本的に治したいという場合は外科手術もご検討ください。


まとめ

当コラムでは、出っ歯の原因と治療法についてご紹介いたしました。「出っ歯」と一口に言ってもその程度は千差万別です。患者さまによって部分矯正で簡単に治せるケースもあれば、外科手術を案内せざるを得ないケースもあります。 お口環境を確認させていただくことで具体的なアドバイスが可能になりますので、出っ歯でお悩みだという場合はどうぞお気軽に当院までご相談ください。