横浜セントラルパーク歯科

子供の歯並びを悪くしてしまう良くない癖とは?種類や対処法

お子さまをよく観察していると、その子なりの癖を見つける場合があると思います。よく目にする光景としては「指しゃぶり」などが考えられますが、「かわいらしいな」と映る反面、「指しゃぶり」からの卒業が遅れると歯並びに影響してくることもあります。そのほかにも、歯列に影響し得る癖がいくつかございますので、それらをまとめてご紹介いたします。子育て中の親御さまはぜひチェックしてみてください。

こんな癖は要注意! 歯並びに悪影響が出ることも…

歯並びは基本的に遺伝情報として受け継がれるものですが、後天的な環境(育っていく過程)で更に悪い方向に変化してしまう可能性も秘めています。こちらでご紹介するものをご確認いただき、歯並びを悪くしてしまう前にご対応ください。


指しゃぶり

指しゃぶりは、小さなお子さまに多く見られる現象です。必ずしもすぐに歯並びに悪影響があるものではなく、3歳以降になっても続いていた場合に注意を要するとお考えください。 影響としては、前歯の噛み合わせが悪くなったり、出っ歯になってしまう可能性が指摘されます。

指をくわえている時間が長い分、顎骨の成長が阻害されたり、前歯の伸びる方向が前方へと誘導されてしまう可能性があるためです。


爪を噛む

爪を噛む癖は、指しゃぶりと似たような悪影響をもたらします。指しゃぶりが自然になくなっていっても、爪を噛む癖がなかなか取れないケースが少なくありません。爪を噛む癖の場合には、前歯で爪を噛んで指を細かく前に引っ張る…といった行動になりがちです。

この影響で前歯が前方に引かれる時間が長くなり、指しゃぶり以上に出っ歯への影響が懸念されます


唇を噛む

指しゃぶりや爪を噛む癖がなくても、口元で「唇を噛む癖」が出てきてしまうケースもあります(どちらかと言うと、下唇を噛んでいることが多いです)。噛み方によって歯並びへの影響は異なりますが、出っ歯をもたらしてしまったり、受け口を引き起こしてしまうケースがあります。


舌を突き出す

舌の突出癖とは、舌癖(ぜつへき)とも呼ばれるもので、お食事の際に上下の歯の間で舌を前に突き出すような動きをしたり、テレビを見ているときなどにお口をポカンと開けて、舌が上下の前歯の間に出てしまっているような症状(癖)を指します。 この癖があると、唇やお口周りの筋肉の発達が阻害され、外側から歯並びを整える力が加わりにくくなります。

全体的な不正歯列をもたらしたり、舌が前歯の成長を阻害して前歯の噛み合わない「開咬」と呼ばれる状態に陥りやすくなります。また、発音面にも影響があり、歯茎に舌を当てて調音するサ行やタ行で不明瞭な音になりがちです。 改善法としては、歯科医院でMFT(口腔筋機能療法)と呼ばれるトレーニング法を用いるケースが多いです。

親御さまの側でインターネットなどで調べて対応するのではなく、一度専門医にご相談されることをおススメします


頬杖を付く

頬杖はテレビを見ているときなどにしてしまいがちです。顎骨が固まってからの大人の頬杖とは違い、子供の場合には顎骨の成長に悪影響を与えることがあります。

もちろん、頬杖が癖になっているくらい頻繁にしている場合ということですが、歯が成長していくのを外側から抑え込んでしまう動きになるため、しっかりと歯の並ぶスペースが確保されず、歯並びを全体的に乱す原因となります。 外側からの圧力という意味では、寝るときの向きや癖も同様です。

常に同じ側の頬を横にして寝ていると、そちら側の顎骨や歯並びに悪影響をもたらすこともありますので、このあたりも気を付けてあげてください。


口呼吸

口呼吸は、鼻炎などのアレルギー症状を発端として習慣付いてしまうことが少なくありません。本来、鼻毛というフィルター機能によって細菌やウィルスをシャットアウトするため、口呼吸が定着してしまうと相対的に病に罹りやすい体質になってしまいます。

また、口呼吸の場合には常に口が開いている状態を保とうとするため、歯並びや顎骨などの骨格も口が開いた状態を保ちやすく形成されてしまいます。噛み合わせが悪くなったり、噛む力が弱くなりがちで、お口の中が乾燥しやすくなるため、細菌が繁殖しやすい口腔環境になってしまいます

※唾液は、お食事などで酸化したお口環境を元に戻す「再石灰化」を促す役割も担っています。つまり、唾液の少ない口呼吸では相対的に虫歯もできやすくなるのです。

鼻炎を治した後、口呼吸の習慣を改善することもお忘れなく!

口呼吸は多くの場合、まず耳鼻科で鼻炎などの症状に対して適切な処置を施すことが大切です(鼻呼吸に何かしらの障壁がある場合、鼻腔という空気の通り道を確保せずに口呼吸にすることは困難だからです)。ただし、鼻炎などの鼻呼吸を阻害する要因が改善していっても、それまでの習慣からなかなか口呼吸に変更できないケースも考えられます。

このような際は、そのままにして口呼吸の定着を待つのではなく、一度小児歯科などの専門の歯医者さんにご相談ください。


お気軽に小児歯科(小児矯正歯科)にご相談を♪

当コラムでは、子供がやってしまいがちな何気ない癖について取り上げ、歯並びなどへの影響について解説しました。多くの場合、無意識に行なわれる行動の一つなので、本人はその癖が良くない影響を及ぼすとは夢にも思っていません。それ以前に、お子さまの頭の中では「今の行動」と「未来の結果」が時間的に繋がらない場合がほとんどです。

このため、親御さまから注意なされる際は頭ごなしに叱るのではなく、優しく丁寧に誘導してあげるように気を付けてあげてください。歯科医院でもトレーニングや治療によって改善できるケースがありますので、どうぞお気軽にご相談ください。