横浜セントラルパーク歯科

子供の歯列矯正の基礎知識 治療器具・必要な期間・費用概要

自分が子供の頃に歯列矯正を受けていないと、子供の矯正治療がどのようなものなのかあまり想像できないと思います。また、当時の矯正治療と現在の矯正治療とでは選択肢も異なりますので、漠然としたイメージしか湧かないかもしれませんね。当コラムで子供の矯正治療の基本情報をお伝えしますので、お子さまの歯列矯正をお考えの親御さまはぜひご一読ください。

矯正治療の分類 年齢で変わる「一期治療」と「二期治療」

歯の矯正治療では、6歳から10歳くらい(小学校低学年および中学年のころ)に行なうものを「一期治療」、10歳から14歳くらい(小学校高学年から中学生のころ)に行なう治療を「二期治療」と分類するのが一般的です。一期治療では「顎骨を含めて整える矯正」であるのに対し、二期治療では「歯を動かす一般的な歯列矯正」となります。

歯の矯正は一期治療の場合も二期治療の場合も「自由診療」となるため、不正歯列の状態や治療に用いる器具などによって費用が異なります。また歯科医院ごとの違いもあります。


一期治療の特徴

年齢として小学校3、4年くらいまでに行なうもので、まだ顎骨が十二分に動く余地のある時期の矯正治療を「一期治療」と言います。上の顎骨と下の顎骨のバランスを整えたり、歯の並ぶスペースを広げて噛み合わせなどが良くなるように誘導する治療です。

使用する治療器具は歯並びや顎骨の状態、お子さまの年齢などによって異なります。前歯などの特定箇所のみを固定する部分的ブラケット、顎骨などの誘導を促す床装置、マウスピース、拡大装置やヘッドギアなどから選択します。

治療費としては、10万円から50万円程度をお考えください。歯並びの状態が悪いほど多くの治療費が必要になりますが、二期治療と比較すると顎骨から整えられる分安く抑えられるのが一般的です。


 一期治療のポイント 

●年齢

顎骨を動かしやすい6歳から10歳頃までが適当

●治療期間

1年前後が目安(ただし治療後も歯並びの安定を確認するため定期検診に通った方が良い)

●治療器具

部分的ブラケット、床装置、マウスピース、拡大装置、ヘッドギアなど

●一期治療の費用

10万円~50万円程度 ※各種検査の費用や、都度の調整料(処置料)、観察料などは別途必要になるのが一般的です。

なお、一期治療は一般的に6歳頃にスタートしますが、受け口などの症状ですと3歳児検診などで判断して早期に治療をスタートすることもあります。この場合、マウスピースタイプの矯正器具を用います。


二期治療の特徴

永久歯が生え揃い始め、顎骨がある程度安定してくる頃に行なう矯正治療が「二期治療」と言われるものです。永久歯が生えてきているため、成人の歯列矯正と特に大きな違いはありません。装置は一般的なワイヤーやブラケット、マウスピースなどが使用されます。

治療費は患者さまの歯列状態によって大きく異なりますが、目安としては安価に収まった場合で20万円程度、不正歯列の度合いが強い場合ですと120万円程度要することもあります。


 二期治療のポイント 

●年齢

永久歯が生え揃う時期で10歳頃から14歳頃までに実施されることが多い

●治療期間

平均すると2年~3年(歯の状態によって異なる)

●治療器具

一般的なワイヤーやブラケット、マウスピースなど

●一期治療の費用

20万円~120万円程度 ※各種検査の費用や、都度の調整料(処置料)、観察料などは別途必要になるのが一般的です。

最近では同じワイヤーでも目立ちにくい透明タイプのモノや、歯の裏側(舌側)に付ける矯正装置などもあります。目立ちにくいということで審美性では優れるものの、費用は割高になる傾向があります


子供の歯列矯正のメリットとデメリット

子供の歯列矯正にはメリットもあればデメリットもございます。分かりやすく簡潔にまとめましたので、こちらでご確認ください。


  子供の歯列矯正のメリット 

●歯並びに好ましくない癖を早期に改善

指しゃぶりや、舌だし、頬杖などは歯並びを悪くする可能性のある癖です。歯医者さんに通うことでこれらに対して注意する心構えができます。

●顎骨の最適化

一期治療であれば顎骨自体のバランスを調整できます。これは歯や舌の収まる位置を確保することに繋がり、活舌や発音にも影響を与えます。また、肩こりや腰痛などの要因を減らすことにも繋がります。

●将来的な抜歯リスクの回避

子供のうちに歯列矯正をしてしまえば、歯が磨きやすくなるためお口環境を健康に維持しやすくなります。長い目で見れば、これが抜歯リスクを抑えることにも繋がります。

●通院することで虫歯リスクを回避

歯列矯正中は1ヶ月~2ヶ月に一度程度は歯医者さんに通うことになります。面倒に感じられるかもしれませんが、この通院が虫歯を予防し口腔環境を健康に保つことにも貢献してくれます。

では、次にデメリットについて見てみましょう。


  子供の歯列矯正のデメリット 

●見た目の悪さ or 高い治療費という問題

一般的なワイヤーとブラケットをセットにした矯正治療では、どうしても見た目の影響が懸念されます。一方、目立たない矯正装置を選択すれば費用負担が大きくなってしまいます。

●長期的な装着にまつわるストレス

歯並びによってはかなり長期的に治療が必要になるケースもあります。早く取りたいと強く感じている場合には相応のストレスになってしまいます。

●丁寧なブラッシングが必須

ワイヤーやブラケットを用いた矯正治療では、食後の歯磨きなどでブラッシングがしにくくなるという影響があります。「磨き残し」は「虫歯リスク」にも繋がりますので、矯正期間中はより丁寧に磨いてあげる必要があります。


まとめ

当コラムでは、子供の矯正治療の基礎知識として、治療器具や治療に必要な期間、治療費の概要などについてお伝えしました。上述したように、歯列矯正はメリットもあればデメリットもあるものですが、実はデメリットは全て「治療期間中のもの」に過ぎず、長い目で見ると損をする要素がないのが矯正治療です。

まだ顎骨が柔らかいうちに治療をスタートすればスペース確保も容易になりますので、お子さまへの未来へのプレゼントだと思って前向きにご検討ください。皆さまのご相談をお待ちしています。